フリーランスとして働く人の意識・実態調査2025

連合調べ 2024年11月施行のフリーランス法 フリーランスの理解率は39.0%
日本労働組合総連合会(略称:連合、所在地:東京都千代田区、会長:芳野 友子)は、この度、フリーランスとして働く人の意識と実態を把握するため、「フリーランスとして働く人の意識・実態調査2025」を2025年6月27日~7月1日の5日間でインターネットリサーチにより実施し、全国の20歳以上の男女でフリーランスとして働く人1,000名の有効サンプル(※)を集計しました(調査協力機関:ネットエイジア株式会社)。
※フリーランスを本業として仕事をしている人を対象、仕事内容は「文化・芸能・芸術関連」と「その他」で6割以上を占める結果となっている。
フリーランスとして働き始めたきっかけや仕事に対する満足度について
フリーランスとして働き始めたきっかけ 1位「好きなことを仕事にしたいから」
2位「場所や時間にとらわれずに自由に働きたいから」「自分の専門性を活かすため」
60代以上では「自分の専門性を活かすため」が最も高い結果に
全国の20歳以上の男女でフリーランスとして働く人1,000名(全回答者)に、フリーランスとして働く人の仕事の実態について質問しました。
まず、全回答者(1,000名)に、フリーランスとして働き始めたきっかけを聞いたところ、「好きなことを仕事にしたいから」(34.5%)が最も高くなり、「場所や時間にとらわれずに自由に働きたいから」「自分の専門性を活かすため」(いずれも29.7%)、「フリーランス以外に選択肢がないから」(18.0%)、「選択したつもりはなく気づいたらフリーランスだった」(16.7%)が続きました。
世代別にみると、20代では「新しいことにチャレンジしたいから」(21.4%)が全体と比べて10ポイント以上高くなりました。また、60代以上では「自分の専門性を活かすため」(42.2%)が1位でした。
仕事内容別にみると、文化・芸能・芸術とからだ・健康関連では「好きなことを仕事にしたいから」(順に49.0%、49.1%)、事務・ビジネス関連と暮らし・学び関連では「自分の専門性を活かすため」(順に39.7%、56.1%※暮らし・学び関連では「好きなことを仕事にしたいから」と同率)、IT関連とクリエイティブ関連では「場所や時間にとらわれずに自由に働きたいから」(順に35.4%、32.1%)が1位でした。


フリーランスとしての働き方に満足している人の割合 「仕事全体」では53.4%
全回答者(1,000名)に、フリーランスとしての働き方について、どのくらい満足しているか聞いたところ、【仕事全体的に】では「非常に満足している」が14.4%、「やや満足している」が39.0%で『満足している(計)』は53.4%、「全く満足していない」が4.8%、「あまり満足していない」が10.6%で『満足していない(計)』は15.4%となりました。フリーランスとして働く人の半数以上が、総合的にみて、満足のいく働き方ができていると感じているようです。
世代別にみると、満足している人の割合が最も高くなったのは20代(61.4%)、最も低くなったのは40代(46.4%)でした。

昨年の調査結果(※)と世代別に比較すると、満足している人の割合は、20代では9.7ポイントの上昇(2024年51.7%、2025年61.4%)となりました。
※日本労働組合総連合会『フリーランスとして働く人の意識・実態調査2024』(2024年8月5日発表)

フリーランスとしての働き方に満足している人の割合
「仕事内容・質」では60.9%、「労働時間」では58.0%、「働きがい・やりがい」では61.0%、
「プライベートとの両立」では66.8%、「収入」では26.0%にとどまる
【仕事内容・質】では『満足している(計)』は60.9%、【労働時間】では『満足している(計)』は58.0%と、いずれも約6割の人が満足していることがわかりました。他方、【収入】では『満足している(計)』は26.0%、『満足していない(計)』は46.8%となり、半数近くが収入に満足できていない実態が明らかになりました。

【働きがい・やりがい】では『満足している(計)』は61.0%、【プライベートとの両立】では『満足している(計)』は66.8%と、いずれも満足している人が多数となりました。

フリーランスとしての働き方についての将来への展望 「ない」が30.4%、
クリエイティブ関連では「ない」が38.1%
フリーランスとしての働き方について、将来への展望はどのくらいあるか聞いたところ、「とてもある」が10.2%、「少しある」が16.8%で合計した『ある(計)』は27.0%、「全くない」が10.9%、「あまりない」が19.5%で合計した『ない(計)』は30.4%となりました。
世代別にみると、将来への展望があると回答した人の割合が最も高くなったのは20代(42.9%)、ないと回答した人の割合が最も高くなったのは40代(36.9%)でした。
仕事内容別にみると、将来への展望がないと回答した人の割合は、クリエイティブ関連(38.1%)では4割近くとなりました。

昨年の調査結果と世代別に比較すると、将来への展望があると回答した人の割合は、20代から40代では上昇し、20代では12.9ポイントの上昇(2024年30.0%、2025年42.9%)となりました。他方、50代以上では下降し、60代以上では9.9ポイントの下降(2024年33.6%、2025年23.7%)となりました。

フリーランスの働き方の実態について
「発注者からの仕事の依頼を断ることができない」フリーランスの24.1%、クリエイティブ関連では29.8%
全回答者(1,000名)に、それぞれの働き方について質問しました。
【発注者からの仕事の依頼を断ることができない】では、「よくある」は9.0%、「時々ある」は15.1%で、合計した『ある(計)』は24.1%、「全くない」は16.7%、「ほとんどない」は24.6%で、合計した『ない(計)』は41.3%となりました。
仕事内容別にみると、『ある(計)』と回答した人の割合は、クリエイティブ関連では29.8%と、他の層と比べて高くなりました。

【発注者からの仕事を行う期間中、もしくは契約期間終了後、他の企業等の仕事を受けないように求められたことがある】では、『ある(計)』は8.4%、『ない(計)』は61.9%と、求められたことがない人が多数でした。

「受注した仕事の進め方等について発注者から指示を受けている」フリーランスの25.2%、
暮らし・学び関連では41.5%
「仕事を行う場所、時間を決められたり、作業時間や休憩時間などを管理されている」
フリーランスの19.2%、暮らし・学び関連では36.6%
【受注した仕事の進め方、時間配分、順序、手法の選択等について、発注者から指示を受けている】では、『ある(計)』は25.2%となりました。
仕事内容別にみると、『ある(計)』と回答した人の割合は、暮らし・学び関連では41.5%と4割を超えました。

【仕事を行う場所、時間を決められたり、作業時間や休憩時間などを管理されている】では、『ある(計)』は19.2%となりました。
仕事内容別にみると、『ある(計)』と回答した人の割合は、事務・ビジネス関連(4.4%)では1割未満だったのに対し、暮らし・学び関連(36.6%)では約3人に1人の割合となり、仕事内容によって作業場所や業務時間の管理状況に差がみられる結果となりました。

「受注した仕事について、自分の判断で第三者に行わせたり、補助者を使うことが認められていない」
フリーランスの17.7%、暮らし・学び関連では29.3%
「仕事に使用する機械、器具等は発注者が用意している」フリーランスの20.8%、
暮らし・学び関連では36.6%
【受注した仕事について、自分の判断で第三者に行わせたり、補助者を使うことが認められていない】では、『ある(計)』は17.7%でした。
仕事内容別にみると、『ある(計)』と回答した人の割合は、暮らし・学び関連(29.3%)では3割近くとなりました。

【仕事に使用する機械、器具等は発注者が用意している】では、『ある(計)』は20.8%となりました。
仕事内容別にみると、『ある(計)』と回答した人の割合は、暮らし・学び関連(36.6%)やIT関連(29.3%)、からだ・健康関連(26.3%)で高くなりました。

「同様の業務を行う同じ職場で働く正規従業員と比較して、同じ報酬を得ている」
フリーランスの73.5%が「どちらともいえない/わからない」
「作業時間や作業日数に応じて報酬が決まっていたり、欠勤をしたことで報酬を減額されたり、
逆に残業したことで通常の報酬とは別に手当が支給されることがある」フリーランスの15.3%、
暮らし・学び関連では34.1%
【同様の業務を行う同じ職場で働く正規従業員と比較して、同じ報酬を得ている】では、「どちらともいえない/わからない」(73.5%)が高くなり、『ある(計)』は6.6%でした。

【作業時間や作業日数に応じて報酬が決まっていたり、欠勤をしたことで報酬を減額されたり、逆に残業したことで通常の報酬とは別に手当が支給されることがある】では、『ある(計)』15.3%、『ない(計)』は52.9%と、ない人が半数以上でした。
仕事内容別にみると、『ある(計)』と回答した人の割合は、暮らし・学び関連では34.1%と、他の層と比べて高くなりました。

近年の物価上昇による影響
近年の物価上昇による影響 「生活が苦しくなった」フリーランスの45.7%、40代では52.7%
「業務に必要なコストが上昇した」フリーランスの27.8%、60代以上では31.5%
全回答者(1,000名)に、近年の物価上昇による影響を聞いたところ、「生活が苦しくなった」は33.4%、「業務に必要なコストが上昇した」は15.5%、「生活が苦しくなって、業務コストも上昇した」は12.3%で、『生活が苦しくなった(計)』は45.7%、『業務コストが上昇した(計)』は27.8%となりました。また、「特に影響はない」は38.8%でした。
世代別にみると、『生活が苦しくなった(計)』と回答した人の割合は、40代(52.7%)が最も高くなり、半数を超えました。また、『業務コストが上昇した(計)』と回答した人の割合は、60代以上(31.5%)が最も高くなりました。
仕事内容別にみると、『生活が苦しくなった(計)』と回答した人の割合は、クリエイティブ関連(66.7%)が最も高くなり、『業務コストが上昇した(計)』と回答した人の割合は、文化・芸能・芸術関連(32.4%)が最も高くなりました。

「報酬が引き上げられていない」フリーランスの89.8%、「引き上げられた」IT関連では16.2%
全回答者(1,000名)に、今年1月から5月までの間に、昨年の12月以前と比較して報酬は引き上げられたか聞いたところ、『引き上げられた(計)』(「引き上げられた」「やや引き上げられた」の合計)は10.2%、『引き上げられていない(計)』(「引き下げられた」「やや引き下げられた」「変わらない」の合計)は89.8%となりました。
仕事内容別にみると、『引き上げられた(計)』の割合は、IT関連(16.2%)が最も高くなった一方、事務・ビジネス関連(4.4%)やクリエイティブ関連(4.8%)、からだ・健康関連(5.3%)では、5%前後と低くなりました。
「引き上げられた」、「やや引き上げられた」と回答した人の引き上げられた理由をみると、「生活が苦しいから作品の値段を上げざるを得なかった(男性/30代/文化・芸能・芸術関連)」、「物価高を理由に自分から提案した(女性/30代/その他)」、「物価高を考慮した報酬の提示をしてくれる発注元が少し増えた(男性/40代/IT関連)」、「仕事のクオリティが高くなったから(女性/20代/クリエイティブ関連)」といった回答がみられました。

フリーランス法の浸透度合いについて
2024年11月施行のフリーランス法 フリーランスの理解率は39.0%
フリーランス法をどのようにして知り、学んだか 「テレビ・ラジオ・新聞報道」が1位、60代以上では54.2%
フリーランス法について質問しました。
全回答者(1,000名)に、2024年11月に施行されたフリーランス法(「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」)を知っているか聞いたところ、「フリーランス法を知っていて、法律の内容もよく理解している」は9.6%、「フリーランス法を知っていて、法律の内容を少し理解している」は29.4%で、『理解率(計)』は39.0%となり、「フリーランス法を聞いたことはあるが、法律の内容は理解していない」は33.8%、「フリーランス法を知らない」は27.2%でした。
仕事内容別にみると、「フリーランス法を知らない」と回答した人の割合は、からだ・健康関連では35.1%と、3人に1人が知らないという結果となりました。

フリーランス法を理解している人(390名)に、フリーランス法についてどのようにして知り、学んだか聞いたところ、「テレビ・ラジオ・新聞報道」(39.7%)、「公的機関のWebサイト、SNS、動画など」(36.4%)、「公的機関以外のWebサイト、SNS、動画など」(34.1%)、「同業者・フリーランス仲間からの情報」(31.5%)に回答が多く集まりました。
世代別にみると、30代では「同業者・フリーランス仲間からの情報」(44.2%)が最も高く、40代では「公的機関のWebサイト、SNS、動画など」(41.8%)が最も高くなりました。60代以上では「テレビ・ラジオ・新聞報道」(54.2%)が半数を超えました。

フリーランス法の実効性について
発注者との取引に関する問題についてフリーランス法施行前後の改善割合
「期日までにきちんと報酬が支払われない」という問題があった 35.9%、うち問題が改善されていない55.2%
「フリーランス募集の広告等に、虚偽や誤解を生じさせるなど正確ではない表示がある」では
問題があった37.8%、うち問題が改善されていない59.5%
「相談窓口の設置などハラスメントが起きないように必要な措置を発注者が講じていない問題があった」39.6%、うち問題が改善されていない64.9%
「委託内容や報酬額、納期等の取引条件が口約束のみで、書面やメール、SNSのメッセージ等で
明示されない問題があった」45.5%、うち63.3%が問題が改善されていない
いずれの問題でも改善されていない人が過半数という結果に
全回答者(1,000名)に、発注者との取引について問題があったか聞いたところ、【期日までにきちんと報酬が支払われない】では「もともと問題がない」は64.1%、「問題があった」が35.9%、【フリーランス募集の広告等に、虚偽や誤解を生じさせるなど正確ではない表示がある】では「もともと問題がない」は62.2%、「問題があった」が37.8%、【相談窓口の設置などハラスメントが起きないように必要な措置を発注者が講じていない】では、「もともと問題がない」は60.4%、「問題があった」が39.6%、【委託内容や報酬額、納期等の取引条件が口約束のみで、書面やメール、SNSのメッセージ等で明示されない】では「もともと問題がない」は54.5%、「問題があった」が45.5%でした。

それぞれの問題があった人に、フリーランス法が施行された2024年11月前後に、問題が改善されたか聞いたところ、【期日までにきちんと報酬が支払われない】問題があった人(359名)では「改善された」は8.6%、「やや改善された」は36.2%、合計した『改善された(計)』は44.8%、「改善されていない」は17.0%、「あまり改善されていない」は38.2%、合計した『改善されていない(計)』は55.2%となりました。
【フリーランス募集の広告等に、虚偽や誤解を生じさせるなど正確ではない表示がある】問題があった人(378名)では『改善された(計)』は40.5%、『改善されていない(計)』は59.5%でした。
また、【相談窓口の設置などハラスメントが起きないように必要な措置を発注者が講じていない】問題があった人(396名)では『改善された(計)』は35.1%、『改善されていない(計)』は64.9%、【委託内容や報酬額、納期等の取引条件が口約束のみで、書面やメール、SNSのメッセージ等で明示されない】問題があった人(455名)では『改善された(計)』は36.7%、『改善されていない(計)』は63.3%となりました。
いずれの問題も改善されていない人が過半数となり、【相談窓口の設置などハラスメントが起きないように必要な措置を発注者が講じていない】(64.9%)、【委託内容や報酬額、納期等の取引条件が口約束のみで、書面やメール、SNSのメッセージ等で明示されない】(63.3%)では6割を超える結果となりました。

【委託内容や報酬額、納期等の取引条件が口約束のみで、書面やメール、SNSのメッセージ等で明示されない】問題について、「もともと問題がない」、問題が「改善された」、「やや改善された」と回答した人(712名)に、取引条件が明示されているか聞いたところ、【発注事業者とフリーランス、それぞれの名称】では「明示されている」が74.7%、「やや不十分である」が19.2%、「不十分である」が6.0%となり、「やや不十分である」と「不十分である」を合計した『不十分(計)』が25.3%となり、【発注事業者とフリーランスとの間で業務委託をすることを合意した日】では「明示されている」が73.5%、『不十分(計)』が26.5%でした。【フリーランスにお願いする業務の内容】では「明示されている」が73.3%、『不十分(計)』が26.7%、【納品期日、作業予定日】では「明示されている」が77.2%、『不十分(計)』が22.8%となりました。

【納品場所、作業場所】では「明示されている」が77.2%、『不十分(計)』が22.8%、【検査する場合は、検査を完了する期日】では「明示されている」が73.9%、『不十分(計)』が26.1%でした。【報酬の額および支払期日(具体的な報酬額を記載することが難しい場合は算定方法)】では「明示されている」が76.7%、『不十分(計)』が23.3%、【現金以外の方法で報酬を支払う場合は、支払方法に関すること】では「明示されている」が76.5%、『不十分(計)』が23.5%となり、いずれの取引条件においても明示が不十分であることが2割を超えました。フリーランスで仕事をしている人自身が、問題がない、改善されたと感じていても、フリーランス法によって定められている条件が、十分に明示されていないケースがあるようです。

期間が1カ月以上の業務委託の場合に法律で定められている禁止行為の実態
「取引価格にコスト上昇分が考慮されていない」では業務受託者の35.8%が“問題があった”と回答、
うち72.3%が問題が改善されていないと回答
フリーランス法では、期間が1カ月以上の業務委託をする場合に、7つの禁止行為が定められています。そこで、それらの禁止行為についての改善具合について質問しました。
期間が1カ月以上の業務を受託している人(797名)に、発注者との取引について問題があったか聞いたところ、【委託を受けた仕事の成果の受け取り拒否や一方的な発注取消、納期の延期をされる】では「もともと問題がない」は71.6%、「問題があった」は28.4%、【自分に責任がないのに業務委託時に決めた報酬を発注者に後から減額される】では「もともと問題がない」は72.8%、「問題があった」は27.2%、【委託を受けた仕事の成果を発注者の都合により返品される】では「もともと問題がない」は73.1%、「問題があった」は26.9%、【取引価格にガソリンや電気代や業務に必要な器具や道具などのコスト上昇分が考慮されていない】では「もともと問題がない」は64.2%、「問題があった」は35.8%でした。

また、【正当な理由がなく、発注者の強い立場を利用して発注者が指定する物の購入やサービスの利用を強制される】では「もともと問題がない」は73.8%、「問題があった」は26.2%、【委託内容にない業務以外の作業を無償でさせられたり金銭の提供を要請される】では「もともと問題がない」は71.3%、「問題があった」は28.7%、【発注者都合での発注のキャンセルや納品後の無償でのやり直しをさせられる】では「もともと問題がない」は71.1%、「問題があった」は28.9%でした。

それぞれの問題があった人に、フリーランス法が施行された2024年11月前後に、問題が改善されたか聞いたところ、【委託を受けた仕事の成果の受け取り拒否や一方的な発注取消、納期の延期をされる】問題があった人(226名)では『改善された(計)』は39.4%、『改善されていない(計)』は60.6%、【自分に責任がないのに業務委託時に決めた報酬を発注者に後から減額される】問題があった人(217名)では、『改善された(計)』は38.2%、『改善されていない(計)』は61.8%でした。また、【委託を受けた仕事の成果を発注者の都合により返品される】問題があった人(214名)では『改善された(計)』は38.3%、『改善されていない(計)』は61.7%、【取引価格にガソリンや電気代や業務に必要な器具や道具などのコスト上昇分が考慮されていない】問題があった人(285名)では『改善された(計)』は27.7%、『改善されていない(計)』は72.3%でした。

【正当な理由がなく、発注者の強い立場を利用して発注者が指定する物の購入やサービスの利用を強制される】問題があった人(209名)では『改善された(計)』は40.2%、『改善されていない(計)』は59.8%、【委託内容にない業務以外の作業を無償でさせられたり金銭の提供を要請される】問題があった人(229名)では『改善された(計)』は33.2%、『改善されていない(計)』は66.8%でした。また、【発注者都合での発注のキャンセルや納品後の無償でのやり直しをさせられる】問題があった人(230名)では『改善された(計)』は37.4%、『改善されていない(計)』は62.6%でした。

「1カ月以上の期間で行う業務委託について、発注者が一方的に報酬額を決定し、
交渉に応じてもらえない問題があった」は業務受託者の55.8%
“発注者が一方的に報酬額を決定し、交渉に応じてもらえない”問題に対して、
実際に交渉を申し出ていた人は60.0%、交渉を申し出ていない理由は「交渉する機会がないから」が最多
「“発注者が一方的に報酬額を決定し、交渉に応じてもらえない”問題」について、
フリーランス法施行後再び交渉を申し出ていたのに改善していない割合は62.5%
期間が1カ月以上の業務を受託している人(797名)に、1カ月以上の期間で行う業務委託について、発注者が一方的に報酬額を決定し、交渉に応じてもらえない問題があったか聞いたところ、「問題があった」は55.8%、「もともと一方的に報酬額は決定されず、交渉に応じてもらっている」は44.2%となり、半数以上が一方的に報酬額を決められていることがわかりました。

また、問題があった人(445名)に、交渉を申し出ていたか聞いたところ、「交渉を申し出ていた」は60.0%、「交渉を申し出ていない」は40.0%となりました。

発注者が一方的に報酬額を決定し、交渉に応じてもらえない問題に対し、交渉を申し出ていない人(178名)に、交渉を申し出ていない理由を聞いたところ、「交渉する機会がないから」(30.9%)が最も高くなり、「現在の報酬に満足しているから」(23.0%)、「交渉するという発想がなかったから」(22.5%)、「交渉することが面倒だから」(20.8%)、「交渉のためのノウハウや必要な情報が分からないから」(14.0%)が続きました。

他方、発注者が一方的に報酬額を決定し、交渉に応じてもらえない問題があった人で、交渉を申し出ていた人(267名)に、問題が改善されたか聞いたところ、『改善された(計)』は37.4%、『改善されていない(計)』は62.5%でした。

6カ月以上の期間で行う業務委託について、発注者との取引に関する問題
「自身の申し出に応じて、育児介護等と業務を両立できるような発注者からの配慮がなかった」36.6%、
うち70.5%が問題が改善されていない
「発注者が契約の解除や不更新をしようとする場合、やむを得ない場合を除いて
30日前までにその旨を予告しない」では34.8%が“問題があった”、うち63.4%が問題が改善されていない
フリーランス法では、期間が6カ月以上の業務委託について、フリーランスで仕事をしている人が育児や介護などと業務を両立できるよう、フリーランスの申し出に応じて配慮をしなくてはならないと定められています。
期間が6カ月以上の業務を受託している人(620名)に、6カ月以上の期間で行う業務委託について、発注者との取引で問題があったか聞いたところ、【自身の申し出に応じて、育児介護等と業務を両立できるような発注者からの配慮がない】では「もともと問題がない」は63.4%、「問題があった」は36.6%、【発注者が契約の解除や不更新をしようとする場合、やむを得ない場合を除いて30日前までにその旨を予告しない】では「もともと問題がない」は65.2%、「問題があった」は34.8%でした。

それぞれの問題があった人に、フリーランス法が施行された2024年11月前後に、問題が改善されたか聞いたところ、【自身の申し出に応じて、育児介護等と業務を両立できるような発注者からの配慮がない】問題がある人(227名)では『改善された(計)』は29.5%、『改善されていない(計)』は70.5%で、大半が改善されていないことがわかりました。【発注者が契約の解除や不更新をしようとする場合、やむを得ない場合を除いて30日前までにその旨を予告しない】問題がある人(216名)では『改善された(計)』は36.6%、『改善されていない(計)』は63.4%でした。

労災保険の特別加入制度について
“労災保険の特別加入制度”の加入対象拡大 認知率は27.8%、事務・ビジネス関連の人では44.1%
“労災保険の特別加入制度”の利用希望 「すでに保険に加入している・利用したいと思う」は20.3%、
“利用したいと思わない”“分からない”理由TOP3は
「金銭的な余裕がないから」「制度がよく分からないから」「健康保険証があるから」
“労災保険の特別加入制度”について質問しました。“労災保険の特別加入制度”とは、従来では労災保険への加入が認められなかった労働者以外の人のうち、業務の実態や災害の発生状況からみて、労働者に準じて保護することがふさわしいとみなされる人に、一定の要件のもとに労災保険に加入することを認めている制度です。フリーランスの人では、一部の業種・職種のみ加入が認められていましたが、2024年1月の制度改正によって、加入対象が拡大され、業種・職種を問わず加入することができるようになりました。
全回答者(1,000名)に、“労災保険の特別加入制度”の加入対象が拡大されたことを知っているか聞いたところ、「知っている」と回答した人の割合は27.8%でした。
仕事内容別にみると、「知っている」と回答した人の割合は、事務・ビジネス関連(44.1%)で4割を上回った一方、多くの業種で3割を下回る結果となりました。

“労災保険の特別加入制度”を利用したいと思うか聞いたところ、「すでに保険に加入している・利用したいと思う」は20.3%、「利用したいと思わない」は39.1%、「分からない」は40.6%となりました。
仕事内容別にみると、事務・ビジネス関連では、加入対象の拡大の認知率(44.1%)は最も高くなった一方、「すでに保険に加入している・利用したいと思う」(8.8%)は1割未満にとどまり、「利用したいと思わない」(54.4%)は半数を超えました。

労災保険の特別加入制度の利用について“利用したいと思わない”“分からない”と回答した人(797名)に、そのように回答した理由を聞いたところ、上位3つは「金銭的な余裕がないから」(26.7%)、「制度がよく分からないから」(26.6%)、「健康保険証があるから」(25.0%)で、いずれも2割を上回りました。次いで、「自分には関係ないから」(17.4%)、「加入等の手続きが面倒そう・苦手だから」(15.7%)となりました。
世代別にみると、20代と60代以上では「健康保険証があるから」(順に33.3%、32.8%)が1位となりました。また、30代・40代では「制度がよく分からないから」(順に31.9%、31.2%)が3割以上でした。
仕事内容別にみると、クリエイティブ関連と暮らし・学び関連では「金銭的な余裕がないから」(順に41.4%、48.4%)がいずれも4割を上回り、突出して高くなりました。事務・ビジネス関連では「健康保険証があるから」(38.7%)が1位でした。


フリーランスの仕事の悩みと労働環境について
仕事に関する悩みの相談相手TOP3 「フリーランス仲間」「同業者」「友人」
一方で、「相談する相手がいない」が43.3%
全回答者(1,000名)に、普段、仕事に関する悩みについて誰に相談しているか聞いたところ、相談相手では、1位「フリーランス仲間」(26.6%)、2位「同業者」(19.6%)、3位「友人」(16.7%)となりました。一方で、回答が最も多く集まったのは「相談する相手がいない」(43.3%)で、半数近くが普段、仕事に関する悩みを相談できていないことがわかりました。
世代別にみると、20代では、「家族」(22.9%)が他の世代と比べて高くなりました。
仕事内容別にみると、文化・芸能・芸術関連では、「フリーランス仲間」(34.6%)が全体と比べて5ポイント以上高くなりました。また、事務・ビジネス関連では、「弁護士等の専門家」(10.3%)が他の仕事と比べて高く、1割となりました。からだ・健康関連では、「フリーランス仲間」「家族」(いずれも28.1%)が同率で1位でした。

「個人では解決できない問題に対するために、フリーランス同士でつながりたいと思う」27.9%、
20代では38.6%
2023年、アメリカでは、Netflix等の巨大プラットフォームに対して、俳優や歌唱、声優、ダンサー、宣伝業務に携わる人などで結成された全米映画俳優組合が労働条件の改善や、AIの使用に関する保護措置などを求める長期のデモを通じて、権利を獲得したことが日本でも大きく報じられました。
このように、個人では解決できない問題に対するために、フリーランス同士でつながりたいと思うか聞いたところ、「つながりたいと思う」は27.9%、「つながりたいと思わない」は33.8%、「分からない」は38.3%でした。
世代別にみると、「つながりたいと思う」と回答した人の割合は、20代では38.6%と、突出して高くなりました。他方、「つながりたいと思わない」と回答した人の割合は、30代では40.3%と、他の世代と比べて高くなりました。
仕事内容別にみると、「つながりたいと思う」と回答した人の割合は、からだ・健康関連(36.8%)で最も高くなりました。また、「つながりたいと思わない」と回答した人の割合は、事務・ビジネス関連では41.2%と、全体と比べて5ポイント以上高くなりました。

フリーランスがより働きやすくなるために必要だと思うこと
1位「フリーランスの立場や権利を守る法律の整備」
20代・30代では「フリーランスが利用できる福利厚生」が1位
全回答者(1,000名)に、フリーランスがより働きやすくなるために必要だと思うことを聞いたところ、「フリーランスの立場や権利を守る法律の整備」(30.1%)が最も高くなりました。次いで、「フリーランスが利用できる福利厚生(健康診断や施設利用・旅行の優待サービス、税務・法務サポート、スキルアップ支援、入院見舞金等)」(29.2%)、「所得が補償される制度・仕組み(失業中や病気、ケガ等で働けなくなった際に生活を安定させる仕組み)」(22.4%)、「物価上昇やコスト増加分の価格(報酬)への転嫁」(19.6%)、「老後の支えとなるサラリーマンと同様の年金制度」(18.7%)となりました。
世代別にみると、20代と30代では「フリーランスが利用できる福利厚生(健康診断や施設利用・旅行の優待サービス、税務・法務サポート、スキルアップ支援、入院見舞金等)」(順に37.1%、30.9%)が1位となりました。
仕事内容別にみると、文化・芸能・芸術関連では、「フリーランスの立場や権利を守る法律の整備」(35.3%)が全体と比べて5ポイント以上高くなりました。暮らし・学び関連では「フリーランスが利用できる福利厚生(健康診断や施設利用・旅行の優待サービス、税務・法務サポート、スキルアップ支援、入院見舞金等)」(51.2%)が突出して高く、半数以上となりました。


調査概要
調査タイトル:フリーランスとして働く人の意識・実態調査2025
調査対象:ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする全国の20歳以上の男女でフリーランス(※)として働く人
※フリーランスを本業として仕事をしている人を対象
調査期間:2025年6月27日~7月1日
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:1,000サンプル
実施機関:ネットエイジア株式会社
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